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help リーダーに追加 RSS 楽園/宮部みゆき

<<   作成日時 : 2007/10/06 23:48   >>

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楽園 上/宮部 みゆき
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楽園 下/宮部 みゆき
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「模倣犯」の事件から9年。
あの事件と深く関わったライター「前畑滋子」は、いまだに事件の傷を癒せずにいた。それでもようやくライターの仕事に復帰した滋子は、萩谷敏子という53歳の
女性に頼まれごとをする。
「亡くなった息子の絵に関する不思議な出来事を調べて欲しい」
敏子の息子への思いと、善良な人間性に心を動かされて調査をはじめた
滋子は、調べていくうちに、敏子の息子「等」が描いた絵の事件にも
巻き込まれていく・・。
子を失った親の想い、失わざるを得なかった親の悲劇、、、滋子のライターとしての資質と、人の哀しみと優しさが紡ぐ、喪失と再生の物語。

 
「宮部みゆきは日本で一番ハズレ作品のない作家である」
と、私は思っている。一番かどうかはともかく「作品のクオリティ」が高い作家、
なのは間違いはないだろう。
コンスタントに作品を描きつつ、その質を落とさない(しかも最低ラインが怖ろしく
高い)というのは稀にみる才能の持ち主であり、努力の人でもあると思う。
そんな宮部みゆきの新作、しかも現代ものミステリー、期待しないわけがない!
そして、期待どうり、面白かった。
 
この作品で起きた事件は「模倣犯」のように大掛かりなものでもなければ、仕掛けが複雑なわけでもない。そして作品の展開は甘いといっていいのかもしれない。それでも、その優しさと切なさに、心を動かされるのだ。
人間はここに描かれるよりもっと、残酷な生き物ではあるけれど、ここに描かれるような優しさや善良さも、持っていると信じたい。
 
そして「模倣犯」という作品の大きさもヒシヒシと感じた。
9年たってもあの事件に疲れ、整理がつかない主人公「前畑滋子」と同じように、作者である「宮部みゆき」も、あの事件を書ききったあと、相当に疲弊したのではないだろうか。
前畑滋子は言う。
「わたしは、たぶん犯人は勝ったのだと思っています。(中略)
でも、事件そのものには負けてしまいました」
と。 
作品の中で滋子を怒りをぶつける刑事の言葉がある。
模倣犯の事件を結局書くことのなかった滋子にだ。
「わたしはあなたのことを怒ってました!事件のことを書いてくれなかった、だから腹を立てていたんです。(中略)彼女の愚かさも軽さも、不幸な死に方もすべて忘れられませんでした。だからあなたに彼女のことを書いて欲しかった。彼女も被害者で、彼女の死も、けっして軽んじられていい死はないんだって、わたしに教えてほしかった。あなたにしか、それはできない
私も彼女に書いて欲しかったと思う。
事件に深く関わった人間だからこそ、決して死を軽んじてなかったであろう彼女にこそ、書いていて欲しかったと思う。同時に書くことでしか、前畑滋子にはあの事件を終わる、忘れられなくても幕を引くことができないのだとも思った。
 
そして、たいへんだとは思うけれど、疲弊をすることだけれども、宮部みゆき氏にも、またこういう事件の物語を紡いで欲しいと思う。
それは読者の贅沢な望みだろうか?

模倣犯1 (新潮文庫)
模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯2 (新潮文庫)
模倣犯2 (新潮文庫)

模倣犯3 (新潮文庫)
模倣犯3 (新潮文庫)

模倣犯〈4〉 (新潮文庫)
模倣犯〈4〉 (新潮文庫)

模倣犯〈5〉 (新潮文庫)
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)


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今日の読書 楽園/宮部みゆき
代表作の1つにあげられる、「模倣犯」から9年後、「模倣犯」で重要な役割を担ったライターの前畑滋子が主人公となる話。自宅の下に隠され続けていた死体を透視した少年。しかし、その少年はすでにこの世にはおらず、母親が本当にその少年が超能力を持っていたのかどうか... ...続きを見る
地下室で手記
2007/10/28 00:24
楽園(上・下) 宮部みゆき
カバー写真は小山泰介。装丁は鈴木正道。産経新聞連載。 「模倣犯」事件から9年。深く関わりダメージが残るフリーライター・前畑滋子。訪れた荻谷敏子の奇妙な依頼。…12歳で交通事故死した息子・等は、16年間隠されてきた& ...続きを見る
粋な提案
2007/12/13 03:29
楽園(下)<宮部みゆき>−(本:2008年83冊目)−
楽園 下 出版社: 文藝春秋 (2007/08) ISBN-10: 4163263608 ...続きを見る
デコ親父はいつも減量中
2008/06/09 22:35

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
前畑滋子が書けなくなっていたというのを、宮部さんは代弁させたかったんだと感じさせますよね。
それだけ、模倣犯が重かったと言うことだと思いますが。
茶留蔵
2007/10/28 00:27
あれだけの犯罪をあらゆる角度から描ききった「模倣犯」という大作は、描く側も相当のものを背負ったということでしょうか。
この後に現代ものを書く本数が激減しましたから・・。
前畑滋子がふたたび歩みはじめたように、宮部さんも現代ものを書くところに戻ってきてくれたことは嬉しいですね。
アルサ
2007/10/28 15:29

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